こんにちは。
3月も、もう終わりだなんて信じられないサトーです。
2023年も四分の一が終わったということですよね。
今年もあと四分の三だけ・・・と考えると焦ってきます。
四分の三ある、と考えてもいいんですけど、そうするとのんびりしちゃいそうなんですよね。
さて、最近読んだ本の感想です。
舞台は北アルプス、黒部源流周辺
タイトルからもわかる通り、あの黒部ダムのある
黒部源流周辺で生きた、山賊たちと著者の記録です。
黒部ダム建設の話は、NHKのプロジェクトX が有名なので
知ってる人もいるでしょう。
まさにその黒部ダムのあたりの山です。
(黒部ダムは本の中では黒四ダムと呼ばれています。)
話は終戦直後の昭和20年の殺人事件からはじまります。
その事件は山賊とは直接関係ないのですが、
事件のことは、あとで山賊との会話にも出てきます。
著者の伊藤正一さんは、ひょんな縁から
アルプス最奥の三俣小屋を購入します。
写真で見ると、小屋というより元小屋です。
実際、半壊状態だったそうです。
で、そこを噂の山賊に占拠されていると聞き、
二人の友人を連れて小屋へ向かいます。
そこで噂の山賊と会って、狭い小屋の中で背中合わせで
一晩眠ることに。
そこから著者と山賊たちの交流と、山の生活と冒険がはじまります。
山にはドラマがいっぱい
山に眠るという埋蔵金の話や
兎や狸や熊や犬や、人を惑わす山のバケモノの話がでてきます。
山深いところで聞こえてくる得体の知れない声は
まるで小説『ウェンディゴ』みたいで背筋が寒くなりました。
ほかにも迷惑な登山者や、
病人を下山させる苦労や、山小屋建設の苦労や
伊藤さんから見た黒四ダム(黒部ダム)の建設などが
盛りだくさんで書かれています。
とっても面白いです。
黒四ダムの建設を交えたら
大河ドラマになりそうなくらいの濃さがあります。
山賊にも家族がいる
驚いたのは、悪名高い山賊たちにも家族がいたことです。
山賊に嫁入りする人たちがいるとは驚きました。
意外といっては失礼ですが、
山賊の子供たちはしっかりした普通の人生を送っていたようです。
山賊家業を継ぐのではなく、時代に適応して
暮らしていく道を選んだのでしょうか。
山賊は町にもいる
あと驚いたのは、山賊だからといって
ずっと山にいるわけじゃなく、たまには町にも下りて
いったんだそうです。
おそらくそこで、家族と暮らしていたんでしょうね。
町にいるときは普通の人で
山に登ったら山賊になるんでしょうか。
なんだか山は、山賊になるための職場みたいですね。
家から山へ通勤するみたいな。
端末操作が
この部分は本の内容とは全く関係ないので読み飛ばしてください。
(電子書籍で読んでいたんですが、目次からスワイプしていき第一章のタイトルページまでくると、なぜか目次へもどってしまうんですよね。それで先へ進めなかったので、目次のところでタップして画面が小さくなった状態でスワイプしていくと第一章のタイトルページから先へ進めました。しかし、他の章のタイトルページをタップしたら、再び目次へ戻ってしまうという謎のループがありました。
kindleのバージョンによっても違うかもしれませんが、ページ操作にコツがいります。それがちょっとストレスでしたね。)
伊藤正一さん
著者の伊藤正一さんは大正12年生まれ。
子供のころから北アルプスをくまなく歩いていたそうで、
三俣小屋を購入したのが24歳だそうです。
そのころには山の名人といっても言い過ぎではなかったと思います。
(でないとそんな奥地にあるボロ小屋を買わないと思うので。)
その後、伊藤さんは山小屋経営をしながら
伊藤新道という登山道をつくり、
登山者や宿泊者を助け、本や写真集を出し、
2016年に94歳で大往生されたそうです。
まとめ
『黒部の山賊』おもしろかったです。
関連本もあるみたいなので、時間があったら読んでみたいですね。
私は山がない地域に住んでいるんですが、日本の中にも
映画『レヴェナント:蘇りし者』みたいな厳しい自然の世界があったのかと
感動しました。
それから、私は山へは登らないぞと思いました。
とてもじゃないですが、怖くてそんなところには行けません。笑
それでは、お読みいただきありがとうございました♪