本と映画とドラマの感想|サトーのブログ

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自由な人と自由を怖れる人『イージーライダー』感想

 

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こんにちは。
4月29日になるとやっぱり「みどりの日」と言ってしまうサトーです。
2007年から「昭和の日」になったんですよね。
「昭和の日」になった趣旨が

” 激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす ”

とあるんですが、今見るとなーんか回顧主義的なものを感じて
後ろ向きだなーと思っちゃいますね。
もっと前向きな名前にすればよかったのにーとか思います。
なんで変えたんでしょうね。 

 


さて、最近みた映画の感想です。
もしかしたらネタバレがあるかもしれないので、ご注意ください。

 


自由な若者ふたりが旅をする

イージー・ライダー』1969

 

 


ロードムービーとういやつです。
コカイン取引で大金を手にした若者が
ロサンゼルスからニューオーリンズを目指して
バイクで旅をします。

 

その道中で、ヒッチハイクするヒッピーに出会ったり
牢屋でジャック・ニコルソン演じる弁護士と
一緒になったり、LSDでぶっ飛んだりします。

 

そんなこんなで旅を続け、まだ開発されていない
当時のアメリカの広大な大地の中を
バイクで謝肉祭へ向かうのですが・・・

 

ラストが衝撃的なので、
ネタバレにならないよう控えます。

 


基本いいやつら

旅をするワイアットビリーは基本いいやつらです。
見かけはごついしチャラいけど、基本はいい人間です。
ヒッチハイクするヒッピーを乗せてあげたり、
女の子と泉で泳いだり、旅を楽しんでいます。

 

焚火を囲んで、ジャック・ニコルソン演じる
アル中の弁護士ハンセンと語り合ったりもします。

 

特に印象的だったのは弁護士ハンセンの言葉です。
彼は普段は酒に溺れて、チャラくても、
やはり弁護士なので、物事を見抜く目は持ち合わせているんですね。

 

アメリカ人は自由を
証明するためなら殺人も平気だ

個人の自由についてはいくらでも喋るが

自由なやつを見るのは怖い

 


この言葉が最後に効いてくるんですよね。
ていうか証明されるんです。
それが恐ろしいんですよ。

 

 

ちょいネタバレ

最後は民間人(おそらくその辺の農家の人)が発砲するんですね。
それが、「相手の髪が長いから」という理由らしくて
たったそれだけで人に銃を向けるんですよ。

 

それが本当に怖いなと思って。
恐ろしい世界ですよね。
弁護士ハンセンの言葉を借りれば
「自由なやつが怖いので、
(自分の)自由を証明するために人を殺す」
なんですね。

 

そんなんありかよ、って思うんですけどね。
当時のアメリカのこういう田舎では
気に食わないよそには者には何をしてもいいという
価値観があったのかもしれませんね。
わかりませんけどね。

 

 

思い出したこと

それで思い出したのは
2020年のBLMのきっかけになった
被害者のご家族が言ってたと思うんですけど
(間違ってたらすいません)
アメリカが偉大な国だったことはなかった」
という言葉ですね。

あの言葉がよみがえってきました。

 

誰も見ていないところで、普通の良い人が
ゴミのように殺されている現実があるんだなということですね。

 


もしかしたら身近にあるかもしれない

この映画に出てくるアメリカの人たちが恐ろしいというより、
こういう現実が自分の身の回りに
あるかもしれないなという恐怖ですね。
それが怖くなりました。

 

時代や状況はもちろん違うんですが
最近の事件だと、入管施設で体調不良のままなくなった
ウィシュマさんの事件とかですね。
人権意識が欠如しているという共通点が見られると思うんですが
そういうことが日本でも起きてるわけですよね。

 

「入管、人権意識欠く」 当時の局長ら4人処分 ウィシュマさん死亡で最終報告書<動画あり>:東京新聞 TOKYO Web

 

もし、自分の「自由」を証明するために
他者を殺す、見殺しにするとなったら
とんでもなく恐ろしい世界だなと思いました。

 


宗教観

映画の話に戻りますが、
その暴力をはたらいた人たちはアメリカの人たちなんですが
彼らの宗教観も気になりましたね。
おそらく何らかの信仰をもっている人たちだと思うんですけど
彼らの神はその「自由」を許しているんでしょうか?

 

私は宗教には詳しくないんですけどね。
暴力をはたらく前に、神の教えだとか、
そういうストッパー的なものが働かなかったのかなと
ちょっと考えたりもしました。

 


まとめ

この「後味の悪い衝撃のラスト」という共通点でみると
ウィッカーマン』や『チャイナタウン』があると思います。
あくまで共通点は「後味の悪い衝撃のラスト」だけですけどね。

 

ちなみに『チャイナタウン』は私史上ワースト1になるくらいの
胸くそ悪い映画でした。
繊細な方は閲覧にご注意ください。

 

それでは、お読みいただきありがとうございました。

 



 

ウィッカーマン

ウィッカーマン

  • エドワード・ウッドワード
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