本と映画とドラマの感想|サトーのブログ

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人口減少は自治体の弱体化『縮小ニッポンの衝撃』感想

 

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こんにちは。
人口減少の問題はいまいちピンときてなかったサトーです。
が、この本を読んで現状は想像してたよりも悲惨で深刻なんだなと
思いました。

 

特に、北海道夕張市財政破綻したニュースは知ってましたが
実際の状況は、私が想像してた以上に悲惨でした。

 

kindle版の表紙に「2060年までに日本の人口は約30%減少する」とあります。
2060年、もしかしたら自分たちが住んでいる地域でも、こういうことが起こるかもしれない・・・とあらかじめ知っておくのは大事かと思います。

 


縮小ニッポンの衝撃

『縮小ニッポンの衝撃』

 

 

 

2017年の本です。
NHK取材班が人口減少した自治体や、
政策を遂行する自治体の職員、そこで生きる住民たちを
取材したものをまとめた本です。

 

自治体破綻で有名な北海道夕張市
公共サービスが消滅しそうな島根県雲南市
農村撤退を余儀なくされた島根県益田市京都府京丹後市など

今の日本で実際に起きている人口減少に直面している
自治体の取材結果が紹介されています。

 


人口減少のおそろしさとは

この本を読む限り、人口減少の恐ろしさのひとつに
単純に考えて、人口が減少する=税収が減る
というのがあるんですね。

 

税収が減ると当然、自治体が使えるお金が減るんですよ。
建物が老朽化してもすぐには直せなかったり
困っているお年寄りの支援や、子育て支援にお金が回らなかったり。

 

そうすると、お年寄りが不便な生活を送ったり
十分な支援が受けられない子育て世代は
町から出て行ったりするんですね。

 

子育て世代が町から出ていくと、
そこで生まれる子供、育つ子供がいなくなるので
次の世代が育たないんですね。
つまり、新しく税金を払ってくれる人が育たないんです。

 

そんな公共サービスがスッカスカのところに
他の町から人が来るはずもなく、来ても居着くはずもなく
町には年寄りだけが残されて
相変わらず財政が厳しいまま・・・

 

というかんじで、
人が減ったらお金が減るので
新たな施策を打つにも財源が限られているから、
切り捨てなければならない支援もある・・・
そうなのです。

 

 

命より体の一部より優先するもの

財源がなくなっていく話も怖かったんですが
私が一番印象に残ったのは、
67歳の警備員Cさんの話です。

 

ある日、Cさんは脳梗塞を起こして倒れたそうです。
救急車を呼ぼうとした同僚に、Cさんは
「給料がもらえなくなるから仕事に行く」というようなことを
言ったらしいんです。

 

似たような話、どこかで聞いたことありませんか?

 

最近、ツイッターでニュースになった
指が切り落とされても配達を続けた配達員
の話にそっくりだなと思ったんです。

 

news.yahoo.co.jp

 

 

体の一部が切り取られても、脳梗塞で倒れても
仕事を続ける、仕事に行こうとする・・・

 

そうでもしないと、生きていけない人たちがいるんですね。
今の日本という国は。

 


まとめ

この本は、前に読んだ『未来の年表』と同じ2017年の本で、
同じように人口減少を扱っていますが
『未来の年表』がデータを元にした予測なのに対して

 

縮小ニッポンの衝撃』は実際にNHKの取材班の方々が
日本各地の当事者のところへ出向いて
直に話を聞いているので、
現場の生の声」を知ることができます。

 

この本を読むと、人口減少を改善するためには、
たとえ遠回りでも、子育て支援に力を注ぐことが
一番の近道だと思えてきました。

 

言っちゃあなんですけど、未来の自治体に
お金を払ってくれる人たちですからね。
お金を払ってくれる人は多いほうがいいですからね。

 

そういう人たちをどうやって増やしていくのか
どうやって地元につなぎとめるのか。
そういうことが、ひっ迫した課題になってるんですね。

 

いやはや・・・それにしても自治体の職員の方々も
大変なんだなと思いました。

 

それでは、お読みいただきありがとうございました。