本と映画とドラマの感想|サトーのブログ

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本『14歳から考えたい優生学』感想

 

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こんにちは。
メルカリで読まなくなった本を出品しまくっているサトーです。合計で20冊くらいあるので全部売れたらかなりスッキリします。売れるといいなー。

 

 

不妊処置の提案(強制?)

最近、北海道でこう言うニュースがありましたね。かなりショッキングです。

グループホームが障害者の結婚に不妊処置を提案 北海道 江差町 | NHK | 北海道


それで私が思わず叫んだのが「それって優生思想じゃん!」です。

まあかなり安直な結論ですけども。実際、このグループホームがどのような思想を持ってこんなことを長年続けてきたのか、私にはわからないんですけどね。
このニュース以外にも、最近、有料メルマガやSNSで「優生学」や「優生思想」という言葉を聞くことが何度かありました。

 

それで、優生思想というのはなんとなくイメージできましたが
詳しくはわかりませんでしたので、この本を読んでみました。

『14歳から考えたい優生学
フィリッパ・レヴィン/斉藤隆央

 

 

 

14歳向けに書かれた本なのでわかりやすく書かれているだろうと思って。
が、けっこう難しいというか、本格的でした。


優生学とは

ひとことでいえば、優れた血統をのこし、劣った血統をなくすことで
人類全体の質を向上させようとする思想

この思想が元になって、優良な遺伝子を残すべく、劣った遺伝子を滅ぼそうとして、世界中で様々なおぞましいことが行われてきました。

正直、14歳でこれを学ぶのはかなりハードではないかと思います。
人間不信になりませんかね?

 

世界の優生思想

有名なのはナチスの優生思想ですね。
ナチス以外でも過去には世界中で、結婚や出産の制限、断種など恐ろしい処置がとられたそうです。

特にターゲットにされたのが障害者や、知能が低い人々です。
知能は遺伝すると考えられていた時代なので、そういう人々の遺伝子を残さないために「生殖」への制限が行われたと。

これを読んでいると、日本国憲法第十一条の「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」

第十二条「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」

と定められていることが奇跡に思えてきます。
いやはや、素晴らしい憲法ですね。

日本国憲法

 


感想

優生思想を抱くのはいいと思うんですよ。思想は自由ですからね。
ただ、それを他者に向けて強制したり、生殖を制限すべきだと発言するのは、さすがに現代では問題があります。

特に憲法にあったように、日本国内でやるとそれは人権侵害ですよね。
他人の生殖の権利を奪う権利が、その人にあるのでしょうか。
また、産むこと、産まないことを選択する権利も第三者ではなく、本人にあるはずです。

いやあ、いろいろ考えさせられましたね。
なんにしても、優生思想をゴリゴリに押し付けてくる権力者の下にいるのは
私は耐えられないですね。
私自身もあまり優秀な方ではないので。
優秀とか有能である以前に、平和で心穏やかに生きていきたいなと思ったのでした。

 

大人になって憲法を読んでみると
気づかされることが結構ありますね。

 

それでは、お読みいただきありがとうございました♪