本と映画とドラマの感想|サトーのブログ

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19世紀で最も売れた推理小説『二輪馬車の秘密』感想

 

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こんにちは。
最近は偶然にもオーストラリアの映画やドラマを見ることが多いサトーです。
今回はオーストラリアが舞台の小説を読みました。

 

ひまだなー、なんか推理小説でも読みたいなーと思ったときに手に取った本です。
結論からいうと当たりでした。
それもそのはずで、私が知らないだけでかなり有名な本だったようです。

 


1886年、自費出版

 

この本は1886年に
ファーガス・ヒューム自費出版
当時の人口50万人のメルボルンで大ヒットして
” その年の終わりまでに2万部が売れた "
とのことです。

 

" ヒュームの生存中、本書は全世界で
およそ75万部が販売 "
されたそうです。
すごいですね。

 

ちなみに、シャーロック・ホームズが登場したのが
1887年で、第一作の長編は人気が出なかった
ということですから、
当時はシャーロック・ホームズよりも先に
爆発的な人気を得ていたということになりますね。

 


ストーリー

時は1800年代のオーストラリア、メルボルン
夜の街を走る二輪馬車の中で
身元不明の死体が発見されます。

 

そして捜査の結果、
長身で超イケメンで金持ちで性格がよくて婚約者もいる青年が
犯人として逮捕されます。

 

果たして彼は本当に犯人なのか?
そのとき婚約者はどうするのか?
この本が19世紀のベストセラーになった秘密とは?

 

それは読んでからのお楽しみです・・・

 


どこかで見た設定?

この本が19世紀のベストセラーになった秘密、
というか理由みたいなものは
巻末の訳者あとがきにあるので
そちらを読んでください。

 

1ページ目を読んで、
あれ、どこかで見た設定だぞ・・・
と思ったら、あれです。
隅の老人の事件簿』の
「トレマーン事件」でした。

 

バロネス・オルツィ
『二輪馬車の秘密』から影響を受けたのは
あきらかですね。

 

『二輪馬車の秘密』が3ひねりくらいしている
のに対して
「トレマーン事件」は2ひねりくらいですが
まあ、『隅の老人』は短編なのでね。
仕方ないですね。

 

『隅の老人の事件簿』の連載開始が
1901年らしいので、
『二輪馬車の秘密』のほうが先になりますね。

 

大ヒット作のパロディなので
もしかしたら、当時のミステリ好きには
ウケたのかもしれません。

 

 

 

 

 

くどい部分

この本には聖書とかギリシャ神話とかの
引用や例えが多いんですが、
それと同じくらい
男は~、女は~、女性とういうのは~こういうもので~
とういうのがちょいちょい書かれていて、
そこは正直ちょっとくどかったです。

 


まとめ

なにはともあれ、19世紀に最も売れた
推理小説というだけでも
読んでみてもいいかもしれません。

 

訳が素晴らしかったせいか、ヒュームのセンスがいいのか
読んでいてそれほど古臭い印象はありません。

 

ちなみに、
丸亭素人訳ではタイトルは『鬼車』となっています。
鬼車ってなんだろう、百鬼夜行みたいだな??
と思うんですが、読んでいないので何とも言えないです。

 

ヒュームはその後、生地イギリスへ戻り
たくさんの作品を残したそうです。

 

それでは、お読みいただきありがとうございました♪