本と映画とドラマの感想|サトーのブログ

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『ガルシアへの手紙』感想

 

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こんにちは。
実話だと思って読んでいたら、ほとんど全部フィクションだったと知ってリアクションに困ったサトーです。
さいきん読んだ本の感想です

 

1898、米西戦争

 

 

 

アメリカとスペインの戦争中に
当時の大統領マッキンレーは
戦争のキーパーソンになりそうなガルシアという男に
手紙を届けたかった。

 

そこで、ローワン中尉に白羽の矢が立ち
ローワンは命令どおりに困難を乗り越えて
手紙を届け、英雄になりましたとさ
というお話です。

 

フィクション

この本はですね、読んでいると
さも「これは事実だよ!本当にあったことだよ!」
と言っているように見えるんですね。

 

でも「はじめに」でちゃんと物語
書いてあるんですよ。
まあ、私が見落としてたんですけどね。

 

それで読み終わった後にWikipediaを見たら
フィクションとあったので、
は???となってしまったんですよね。

 

フィクションなのに1億人の人に愛されて
ベストセラーになったのかと。
そういえば自己啓発本て書いてありましたね。

 

まあ、よく考えたらハリーポッターシリーズも
世界的に大ヒットして一時代を築きましたからね。
フィクションに熱狂する人たちがいるのは
おかしな事ではないですよね。

 


軍隊主義っぽい

これは完全に著者ハバードの好みだと思うんですが
ローワンを称える姿勢というか
ローワンから得たインスピレーションのエトセトラが
軍国主義というか軍隊主義の臭いが
プンプンするんですよね。

 

たとえば、ローワンは
ガルシアに手紙を届けろと言われたとき
どこにいるか、誰なのか等の質問は一切
しなかったとあるんですね。

 

余計な質問せずにすぐ行動して
目的達成したのはエライ!と。

 

ですが読み進めていくと
命令を受けたとき
大佐からある程度の情報を提供されているんです。
「最初にOOに行け」と。

 

それだけの情報をもらえば、ほとんどの人なら
OOに行けば詳しい情報がもらえるかもしれないな
と理解すると思うんです。
なので、最初の命令のときに細かく質問しなかったのは
それほど特異なことではないのかなと。

 

質問はコミュニケーション

一方、現代社会はですね、
すくなくとも日本では質問は大事だと思うんですよ。
会社で重要な機密事項の任務についたのに
詳細を確認しないで実行したら
怒られるじゃないですか。

 

まあローワンには自由裁量権
与えられてたと思うんですけどね。

 

なので、
「ローワンは何も質問せずにすぐに行動に移してエライ!」
と手放しで褒める人は、もしかしたら
コミュニケーションが
苦手なんじゃないかと思うんです。

 

コミュニケーションは苦手だけど、
部下を思い通りに動かしたい人
手間をかけずに部下が思い通りに動いてほしい人
そういう人が好みそうなエピソードだなと
思いました。

 


相手による

他にもですね

こうした自主的行動力、道徳心のかけら、意志力の失せている、そして自ら進んで気持ちよく頼まれごとを引き受けない人が多い

 

とあるんですが
これを今の日本でやるなら
相手も同じくらいの道徳心がないと
厳しいと思うんですよね。

 

下手するとブラックな企業やカルト集団に
利用されるだけになっちゃいますからね。

 

ハバードが生きた時代ならともかく
今の日本でこれをまんまやるのは
環境がよくないと厳しいだろうなと思いました。

 


まとめ

この本に出てきた勇気とか他人の役に立つとか
そういう言葉はですね、たぶん
高度成長期の日本とか、
そのあたりの時代に自分の栄光があった人には
受けそうです。

 

覚悟があること、とか
ヒーローを称える精神とか。
そういうのが、どーも軍隊主義を
連想させるんですね。

 

実際はヒーローにならなくても
他人の役に立たなくても
生きてていいんですよね。

 

というわけで、まったりのんびり生きていたい
私には響かない内容でした。

 

それでは、お読みいただきありがとうございました♪