こんにちは。
実は功利主義がよくわかっていなかったサトーです。
さいきん読んだ本の感想です。
功利主義とは
功利主義:幸福と利益を価値の標準、人生の主たる目的とする倫理思想。近世、特にイギリスに発達した。(グーグル日本語辞書)
本書には功利主義の特徴として次の3つを上げています。
1. 帰結主義
2. 幸福主義
3. 総和最大化
つまり「最大多数の、最大幸福を実現する」ために行動していくこと。
大雑把にいうと、より多くの人にとって、より幸福な状態になるために行動していくということです。
で、
「この本は功利主義という倫理学の一理論についての入門書」
となっているので倫理学についての説明もあります。
功利主義とは何かの説明から、公衆衛生と功利主義、幸福について、道徳心理学などの項目があります。
ときにはJ.K.ローリングや、映画『シザーハンズ』を用いて、事例を分かりやすく説明しています。
逆に言うと、最大多数の幸福を追求しないのは功利主義ではないといえると思います。どこかの国の政府みたいですね。まあこの場合、最大多数とは何かの定義にもよると思いますが。となると、政治家とは功利主義であるべきなんでしょうか?
面白かった
実をいうと私は功利主義というものを勘違いして覚えてて、利益を追求する人のことだと思ってたんですね、
調べたらそれは実利主義というやつで、功利主義とはちょっと違うようです。
功利主義は公益性や公衆性、幸福を重要視するけれど、実利主義は現実的な利益だけを追求するので、それが公益性や多数の利益に結びつくとは限らない・・・ということらしいんですね。
功利主義は「最大多数」の利益や幸福、
実利主義は現実の利益を重視するけれども、そこに「最大多数」や「公益性」は含まれないんです。
まとめ
倫理と幸福論と道徳がまざってくるので、ちょっと難しい部分もあるんですが、文章も読みやすくて、事例がわかりやすいので面白く読めました。
個人的には、まさか功利主義の本でメアリ・シェリーと『フランケンシュタイン』の名前が出てくるとは思わなかったので驚きました。
メアリ・シェリーのパパは、功利主義者でアナキストのゴドウィンだったそうです。功利主義を学んでいる人なら周知の事実なんでしょうけど、まさかメアリ・シェリーのパパがそんな人だったなんてびっくりでした。
巻末には引用された文献が多数紹介されているので、そちらを読んでいるだけでも面白いです。
それにしても事例で出てきたJ美さんの正体が意外でした。
J美というと純美(じゅんみ)しか思いつかなかったので、珍しい名前のひとだなーと思ってたんですよね・・・
それでは、お読みいただきありがとうございました♪