こんにちは。
努力は苦手なサトーです。
さいきん読んだ本の感想です。
この本は
幸田露伴の『努力論』『修省論』を、三輪裕範氏が現代風に読みやすく書き直したものです。
幸田露伴がこれらを書いたのは明治末から大正初めにかけて。
たしかに、ところどころ古臭い部分もありましたが、逆にこれって今でもそうじゃん!と大きく頷く部分もありました。
『努力論』はそのまんま、「努力で運命を切り開く」といった内容です。
『修省論』は感情や生活をどうこうするという自己啓発というか、マインドセット論みたいなかんじでした。
印象に残った言葉
印象に残った言葉をいくつか引用します。
まずはこちら。
183 過程短縮の念のない者は落伍者となる
いっさいの人間の行動において、われわれは、過程の短縮を最重要事項として進むべきだ。過程の短縮を心がけない者は必ず落伍者となり失敗者となって、進歩の世界の厄介者のように扱われることはさけられないだろう。
これを読んでまず頭に浮かんだのが、54万筆の反対署名が集まったにも関わらず実施されたインボイス制度です。
インボイス反対署名54万筆 小規模事業者の不安渦巻くなか導入へ:朝日新聞デジタル
あれってものすごい面倒くさいんですよね。信じられないくらい面倒くさいんですよ。つまりインボイス制度のせいで現場では、過程が短縮ではなく、逆にやることが増えているんですよね。
煩雑な処理を時間をかけてしなくちゃいけなくて、でもその割には得られる税よりかかる費用が多いという本末転倒の、経済観念ゼロの人が思いついたとしか思えない制度です。
それって本書の言葉を借りれば「過程を短縮」していないってことですよね。
そんな面倒くさいことを国民に押し付けて平気な顔をしてる政治家は、そりゃあ嫌われて当然ですよ。救済措置みたいなものも出てきましたが、インボイス制度自体を廃止したほうが話が早いので、ダメダメなインボイスに固執する姿がまさに「落伍者となり失敗者」そのものですね。
効率化とかライフハックとかQOLとか言ってる時代に、「進歩」に逆行する動きをしてるんですからね。
そして同じページには、
木をこすって火をおこすようなことをしているようでは、いずれ滅亡することは確実だ。
ともあります。
インボイス制度と日本国のどちらが早く滅亡するのでしょうかね?
生やさしいこと
つづいて、こちら。
193 世の中には生やさしいことは一つもない
これは、歳をとればとるほど実感しますね。
本当に、何かをやろうとすればするほど、生やさしいことはないなと実感します。
自助と互助
213 自助と互助のバランスが必要だ
・・・それはなぜか。自助の精神が強すぎる人間は、その反面、互助の精神に欠けやすいところがあるからだ。これは惜しいことだ。
「自助の精神は素晴らしいけれど、そればかりやってたらよくないことも起こる(意訳)」ともあります。
そして、
216 互助の欠如は排他につながる
意訳するとここは、互助の精神は農業、工業、商業すべてにわたって影響する。
実業家ほど互助の精神に乏しく、商売敵を潰しあっている。そのため、外国との貿易にも影響がでている。互助の精神があまりに乏しいと、排他の精神や行為につながってしまう。という内容です。
これは今のX(旧Twitter)で顕著に見られますね。
自己責任とか自力でやれとか言っていて、他人を思いやる気持ちのない人がウジャウジャいますよね。そういう人たちは大体が狭量で、誰かを差別したり排除しようとしています。
まさに上の言葉どおりだなと思いました。
このあたり、幸田露伴はとても鋭い観察眼ですね。
まとめ
この本を手に取ったのは、努力するためにはどうしたらいいかなーと思ったからでした。
考えていた内容とはちょっと違っていましたが、思わぬ収穫もあって面白く読みました。
何にしても努力なしでは目標を達成できないみたいですね。
とりあえず、次回の選挙はインボイスを廃止してくれるところに入れたいと思います。
それでは、お読みいただきありがとうございました♪