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迷走&暴走『ツイン・ピークス セカンド・シーズン』感想

 

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こんにちは。
22話もあるまとまりのないドラマを見終えてグッタリしているサトーです。
以下、ネタバレ含む長い感想です。

 

※このドラマは現在は配信されていない可能性があります。

 

★ファースト・シーズンの感想はこちら★

 

 

このドラマは

セカンド・シーズン第1話↓↓↓ これは丸太おばさんと丸太

 

ツイン・ピークス』オリジナル・シリーズのセカンド・シーズンです。
セカンド・シーズンは2部に分かれていて、8〜16章はローラ・パーマー殺人事件の続きと解決編、17〜29章は何をやりたいのかわからないファンサービス動画となっています。

 

なので、ローラ・パーマー事件の結末だけ知りたい方は16章まで見れば大丈夫です。
17章以降はこれといった方向性もなく進んでいき、未解決事件多数で消化不良で終わっています。
つまりただの尺稼ぎです。22話もある長い尺を持て余しちゃったんでしょうね。
以下、ボロクソな感想です。

 

8〜16章

 

ローラ・パーマー殺人事件の続きと解決編です。
8章は初っ端からダラダラと進みます。
まるで22話という長い尺を持て余しているかのようです。
ローラ・パーマー事件が本筋ですが、ネタが尽きたのかメロドラマの要素も増えてきました。

不思議なことにですね、ローラの事件は殺害されたのが高校生で、現役高校生も何名か出てくるのに、高校生活のシーンがほとんどないんですよね。君たち学校に行ってるのか?と心配になると同時に、やっぱりおっさんがおっさんのために作ったドラマだなと確信しました。

 

私が一番、気に食わないのは真犯人の扱いです。
真犯人は14章で姿を現しますが、それが誰かというのは置いといて。
ローラ・パーマーとマディが酷い殺され方をして、ロネットも酷い目にあったのに、「犯人にもトラウマがあって酷い経験をしたので、こうなっちゃっても仕方ない」「人間の邪悪が~」みたいに言ってて、犯行と犯人像を美化して終わったことです。

ちなみにロレットは16章の時点で存在を忘れられたかのようです。

 

ふざけんなよ、と。
ここまで引っ張っておいて実にふざけた事件の終わり方です。
クーパーもふがいなかった。

若くして惨殺されたローラとマディの無念はどうなるの?と。
これって何かに似てるなーと思ったらあれですね、日本の性犯罪事件の扱い方と罰の与え方に似てますね。被害にあった女性は命を奪われても軽んじられ、加害男性は情けをかけられるか軽い刑で済む、ってやつですね。だからムカつくのかもしれません。

 

それにしても、保安官のハリーは本当に忍耐強いですよね。ファースト・シーズンで石を投げて捜査方針を決めるクーパーに文句も言わず、よくここまでついてきましたよね。ハリーの忍耐強さと適応力は表彰ものですね。途中で1回キレてましたけどね、それでも忍耐強い男です。

 

ローラ・パーマー殺人事件を最後まで見たい人はここまでで大丈夫です。
このあとはメロドラマの世界になりますので、特に見なくても問題ないでしょう。

 

 

17〜29章

左がオードリー↓↓↓

 

ひどいもんです。
完全に長尺を持て余していて、ここから13話もあったのに迷走&暴走しまくって、全くまとまっていません。
概要としてはメロドラマを中心に細かい事件がちょくちょく起こりますが、
ローラ・パーマー殺害事件のような主軸がないので、話があっち行ったりこっち行ったりとフラフラして、何がやりたいのか何を主張したいのか分かりません。一貫性がないんですね。作ってる本人たちもわかってなかったんじゃないでしょうか。

 

小ネタの中には目を引く斬新なものもありますが(ネイディーンとか)、基本的にはメロドラマです。

 

おじさんと若い女

メロドラマ要素として目立つのが、中高年男性と年若い女性の組み合わせです。

例外としてドナとジェームズ、シェリーとボビーの若いカップル、ネイディーンとマイク、ジェームズと年上の女性なども登場しますけどね。

 

ですが中高年男性と年若い女性の組み合わせが目立った印象です。
若い女性から年長男性へ色仕掛けしたり、誘惑したりするシーンが度々あります。これを作った人の願望がそのまま表れているのでしょうか?

 

一番ショックだったのはボビーという忠実な恋人のいるシェリーが、いきなり現れたゴードン(デヴィッド・リンチ)に人前でキスをするところです。
デヴィッド・リンチシェリーにキスするために仕組んだシーンとしか思えません。
シェリーがキスする必要ないんですよね。シェリー何考えてるんだ。
しかも間が悪いことにボビーが居合わせるし。
何がやりたいんだマジで。最悪です。


クーパー

眠るクーパー↓↓↓

 

17章以降のクーパーもけっこう酷いです。
恋人を亡くして傷心しているハリーに向かって「(死んだ彼女が)犯罪者だったと知る方が君のためなんだ」と言うんですよ。

おまけに28章では明らかに衰弱して錯乱している少佐を病院に運ばずに、保安官事務所に放置していくんです。最悪です。

ファースト・シーズンでは鋭い勘と思いやりを持つ男だったのに、セカンド・シーズンではクソ男になっています。

あと、彼にスーツではなくネルシャツを着せたのも間違いです。
ネルシャツとベストを着たら普通の釣り人みたいで魅力がないんですよねー。
私は釣り人のクーパーじゃなくて、スーツでビシッと決めたFBIのクーパーが見たいんですよ。アルバート(FBIの鑑識)はクーパーのネルシャツを褒めていましたけどね。クーパーからスーツを取り上げたやつは本当にセンスがないです。

 

ルーシー

私のお気に入りのルーシーの扱いが雑だったのも納得いかないです。
ルーシーは妊娠中なんですよね?
妊娠がわかってから結構、日にちが経っていると思いますが、29章でルーシーは割とハードなダンスをするんですよ。正気か?妊婦がそんな踊りをするのか?

安定期に入っていたとしても、あんなダンスを妊婦にやらせますかね?
ルーシーを演じていたキミー・ロバートソンが当時、本当に妊娠していたかはわかりませんが、妊娠設定の人にあんな踊りさせて大丈夫なんですかね?

このシーンを提案した人は、女性の体や母体の安全について本当に何も考えていないんだなと理解しました。

あとミス・ツインピークスの選考会で女性全員がレオタードで透明のビニールのスカート履いて踊るんですよ。マジで何だこれ。

こういうことにいちいち腹立ててましたね。
まあ、それは別として踊るルーシーはとても素敵でした。

 

赤い部屋

29章で赤い部屋が出てくるんですよね。
たぶんクーパーとローラ・パーマーの精神世界がリンクしているという意味だと思うんですが。
29章はデヴィッド・リンチが監督したみたいなので、この赤い部屋の世界観が映画『ローラ・パーマー最後の7日間』へつながっていったんだと思われます。

 

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まとめ

というわけで、17章以降はおじさんの欲求を満足させるためのメロドラマでした。
迷走&暴走してて、ただのファンサービス動画でした。


枝葉としてわけわからん統一性のない事件が散りばめられている程度で、ファースト・シーズンほどの面白さはないです。
回収できてないエピソードが多々ありました。ありすぎて覚えていません。

 

29章のラストは次があるような終わり方でしたが、次ができたのは26年後の2017年なんですよね。

 

このあとリミテッド・シリーズを見ようかと思ったんですが、25年後の話で18話もあるので、なんか疲れちゃったのでツイン・ピークス・シリーズはいったん見るのを休みます。

 

セカンド・シーズンはなぜ視聴率が下がったのかよく分かりますね。
犯罪ドラマを期待して見てたら、変なメロドラマを見せられるんですからね。これといった事件も起こらないし。俳優と資源の無駄遣い感がすごいです。

 

あと、あんなに素敵なオードリーをあんな風に終わらせたのは個人的に許しがたいです。

 

それでは、お読みいただきありがとうございました♪

 

 

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