本と映画とドラマの感想|サトーのブログ

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アラビアのロレンス『砂漠の叛乱』感想

 

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こんにちは。
暑くて寝苦しいなと思ったら室温が29度だったサトーです。
さすがに扇風機だけではムリなので、そろそろエアコンをつけたいと思います。

 

最近読んだ本の感想です。
ネタバレがあるかもしれませんので、ご注意ください。

 

 

伝説のロレンス

 

 

映画『アラビアのロレンス』の主人公 E.T.ロレンスが
書いた本です。
映画で描かれている、アラビアでのトルコとの戦いを
記録したものです。

 


アラブの反乱

ロレンスがアラブの部族の戦士たちと
ともに戦う様子がつづられています。

映画でもそうでしたが、一番驚いたのは
当時のトルコ兵たちの残虐非道さです。
戦闘員のみならず、非戦闘員の女性や子供にまで
酷い暴力をふるったようです。

 

私はトルコといえば、あの帽子とケバブしか
イメージがなかたので驚きました。
そのむごさは、東南アジアで残虐行為をした
旧日本軍といい勝負です。
戦争犯罪なんですね。

 


リスペクト

印象的だったのは
まあ、これはあくまで私の感想ですが
ロレンスは反乱軍の指導者フェイサルを敬愛していたようだ、
ということです。

 

ロレンスは本の中で
フェイサルを絶賛しています。
「これこそ、わたしがアラビアまで探しにやってきた、その人だ」
といっていますし、
見た目や人間性にも敬意を持っているようでした。

 

あとは、ホウェイタ部族の長アウダもですね。
彼についてもリスペクトを感じる記述があります。
映画の中でもアウダは活躍していましたが、
フェイサルも彼のことを心強く思っていたようです。

ロレンスは出会った重要人物をじっくり観察する
習慣があったようで、
戦士たち、男たちの描写が細かく書かれています。

 


感想

映画との違いは、やはり映画は創作だ、ということですね。
特に鉄道爆破は
映画とは違って優雅なものではなかったようです。

ひたすら地味な作業と、汽車を待つ忍耐と
味方の犠牲者の回収の繰り返しだったようです。

 

あと映画で出てきた少年2人との絡みは
それほどありませんでした。
砂漠での戦闘に情緒を加えるために
創作されたエピソードだったのかもしれませんね。

 

あと砂漠なのにラクダが雪に埋まったり
ノミにたかられたり、
かなり厳しい環境だったようです。

 


まとめ

本を読み終えて衝撃だったのは
ロレンスは孤独だった、ということです。

 

トルコ軍を打ち破ったあと、ダマスカスで
ロレンスが仕事をしていると
モスクから祈りの声が聞こえてきます。

ダマスカスの町の人全員が聴いているであろう
祈りの声です。
その声を聞きながら、その祈りに没頭できないのは
ここでは自分だけだろうと書いています。
疎外感を感じたんですね。

 

あれだけアラビアの戦士たちとともに戦ったのに
勝利のあとの祈りには、自分だけ参加できないんです。

 

その孤独感は、おそらく生涯つづいたであろうと思われます。
というのも、これも私の推測ですが彼の年譜を見ると
アラビアのあとは
どうも居場所を探してあちこち彷徨ったというか
その時の気分で動いていたように見えます。

 

親しい人もそれほど多くなかったようですし
パートナーもいなかったようです。

 

若いときにアラビアで注目を浴びてから
事故にあうまでの間、彼は一体どんな気持ちで
生きていたのでしょうか。

 

ヒーローに仕立てあげられた男の
本音が垣間みれるかもしれません。

 

それでは、お読みいただきありがとうございました。