本と映画とドラマの感想|サトーのブログ

本、映画、ドラマの感想を書いています。

平安末期のストーカー男と被害家族『地獄門』感想

 

このブログではアフィリエイト広告を利用しています。

 

こんにちは。
夏バテ対策で、毎日のように塩辛いものを食べているサトーです。

最近みた映画の感想です。
ネタバレにご注意ください。

 

イーストマン・カラー

 

この映画は、
日本初のイーストマン・カラー作品だそうです。
それは初めて知りました。

 

イーストマン・カラーというのは、
1952年にイーストマン・コダック社が発表した
1本巻のネガ・カラーフィルムだそうです。

 

というわけで、1953年の
この『地獄門』はカラー映画となっております。

 


ストーリー

この映画はですね、
人妻に執着して、拒否られてるのに
ずーとつけ回してるストーカー武士と
被害家族の話です。

 

平清盛の時代
平治の乱で出会った清盛派の武士の盛遠
高貴な人の身代わりになった袈裟

 

その後、再会した二人ですが
盛遠は美しい袈裟を気に入り、
執着します。

 

ところが袈裟には夫がいることが判明。
盛遠はショックを受けます。

 

普通ならここで諦めるんですが
執念深くて強欲な盛遠
逆にやる気がでてしまい、何がなんでも
袈裟を自分のものにしようと
悪あがきをします。

 

強欲の塊となった盛遠は
ついに袈裟を脅してまで
自分のものにしようと画策します。

 

追い詰められて苦悩する袈裟。
袈裟は一体、どうなってしまうのでしょうか。

 


カンヌでグランプリ

平清盛なので、時代は平安時代の末期ですね。

 

誤解を恐れずにいうと
この映画は平安時代のメロドラマです。
なんでこの映画を作ったんでしょうね?

 

Wikipediaによると、当時の映画会社の社長が
張り切って作って、カンヌ国際映画祭
グランプリを受賞しています。
ジャン・コクトーも絶賛してたそうです。

 

タイトルからすると、どうしても『羅生門』を
連想してしまうのですが
羅生門』と違ってこちらは
犯人も犯行の経緯もはっきり描かれています。

 


袈裟が哀れ

この映画は、理不尽な苦難に耐える袈裟が
ひたすら哀れなんですよね。

 

人妻だって言ってるのに、盛遠はあきらめない
事情を知っている夫の上司の平清盛
余興感覚で袈裟と盛遠を合わせるし、


信頼してた叔母に騙されるし(脅されてたから仕方ない)
そんな叔母は機転がきかないから助けてくれないし。

 

とはいえ、一人で全部かかえこむ袈裟も
やり方が間違っていたと思うんですが
なんといっても平安時代なので
まあ、それは仕方ないのかもしれません。

 


袈裟の叔母

その叔母という人が、鈍いというか
口が軽いというか、ちょっと軽率なんですよね。

 

盛遠と袈裟が再会したとき、
この叔母も一緒にいたんですが
明らかに怪しい目で袈裟を見ている盛遠に
袈裟のことをベラベラと喋るんですよ。
そのツケがあとで回ってくるんですけどね。

 

個人的には、この叔母はキャラとして
ちょっと中途半端なので
もっと徹底的に利己的か、
盛遠と同じレベルの最悪な人として描いた方が
面白かったんじゃないかなと思いました。

 


ストーカー男と夫

それにしても人妻の袈裟に執着する
ストーカーの盛遠が、びっくりするくらい
最低最悪な男です。

 

嫌がってる袈裟に
俺の心を聞いてもらいたいのだ!
とか言うんですけど、いやそんなの聞きたくないでしょ
と見てるこっちまで嫌な気分になるんですよね。

 

この時代は大変だったんだなと本当に思います。
ボスである清盛があれですから、
誰も助けてくれないんですよね。

 

盛遠はその後、「家族を殺すぞ」
と袈裟を脅します。
本当に最低男です。

 


袈裟の夫

一方で、袈裟の夫である
渡辺渡(ワタナベワタル)も
現在の感覚からするとちょっとズレています。

 

気高いのはいいんですが
妻に執着していて、自分が対処しきれない男が
近くをうろついているかもしれないのに
妻を1人で叔母の家に行かせるとか
ちょっと危機感がなさすぎというか、世間知がないというか。

 

妻が死んだ後になって
何でも話してほしかった、頼ってほしかった
みたいなことを言うんですが
それは生前に言っておかないと意味ないよね・・・
とか。

 

絶対許せないことをした盛遠に
何の罰も与えないとか。

 

もしかしたらジャン・コクトー
こういうところを評価したのかもしれませんが
浮世離れしすぎてて
私には理解できませんでした。

 

 

まとめ

というわけで、
平安末期のメロドラマを見た気分になったサトーでした。

 

あとは最初のほうで
セリフが聞き取りづらいところが多いので
日本語の字幕が欲しいですね。

 

それでは、お読みいただきありがとうございました♪

 

 

fortunamajor.hatenablog.com