本と映画とドラマの感想|サトーのブログ

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はたらくお巡りさん『警察日記』感想

 

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こんにちは。
勤労感謝の日に働くお巡りさんの映画を見たサトーです。
映画の感想です。

 

ストーリー

 

会津の山村の小さな町の、お巡りさんたち。

いろいろな出来事やアクシデントに右往左往しながらも、日々を生きる人情味あふれる警察署員や町の人々を描いた映画です。

 

走らない消防車

警察の映画なんですが、走らない消防車が登場するんですよ。 

 

最初のほうで火事というかボヤ騒ぎがあるんですが、消防車が導入されたばかりの時代みたいなんですよね。

 

それで消防車を走らせるためには、ネジみたいなやつを人力でぐるぐる巻いて、走らせるんですが、緊急事態なのに消防車が思うように走らないんですよ。

 

走らない消防車を、消防士が押してゆくんですね。
それが今見ると面白かったですね。

 

緊急事態なのに走らない消防車なんです。
人間が走っていったほうが速いんです。
説明すると面白くなくなるんですが、映画だとコミカルに描かれていて面白かったですよ。

 

で、この走らない消防車があとでまた出てきます。一応物語の中で布石みたいになってるんですね。


原作がある

1952年刊行の原作があって、映画は1955年に公開されたようです。

 

出演者がすごいんですよね。
子だくさんの巡査部長に森繁久彌、若い花川巡査に三國連太郎、同じく若い巡査に宍戸錠、など。

 

今見るとまったく面影がありませんが、大物たちの若かりし姿が見られて貴重です。

 

特に宍戸錠ですね。
薮田巡査を演じているのが宍戸錠だとわかったとき、「ししどじょー!」って裏声でましたもん。

 

それくらい面影ないというか、びっくりしました。
頬に入れものをする前ですね。
よく見ると面影はありそうなんですが、ご本人というよりご子息に似てるかもしれません。

 

いやはや、どんな年寄りにも若かりし頃はあったんだなあと、しみじみしました。

 

足腰が丈夫そう

舞台が山村で、パトカーはあってないようなものなので、まあ台数も十分にないので、みんな歩くんですよね。

 

舗装されてない道や、山の中をひたすら歩いたりするんですね。
仕事のために、生活のために。
なので足腰が丈夫そうだなあと思いました。

 

そういう時代だったんでしょうけど、足腰が丈夫というのは健康や長寿にもつながってくるので、生活がそういう環境にあったというのは、なんだか羨ましくなりました。

 

私は非常に運動不足な環境にいますのでね。
山の中、町の中をひたすら歩くのも楽しそうだなあと思ったりしたんですよね。

 

まあ山中なのでクマとかケモノとか不審者に遭遇する危険がありそうですけどね。

 

殴るなよ

人身売買されそうになった若い女子を家まで送っていった花川巡査が、彼女の事情を知ってお金を恵もうとするんですね。
でも拒否られるんです。

 

で、花川巡査が女性を平手打ちするんですね。
聞き分けが悪い女だな、言う通りに金を受け取れよ、と思って殴ったんでしょうね。
今、そんなことしたら大問題になりますよね。時代ですね。

 

それが悪しき家父長制が可視化されてるシーンだなと思ったんですよね。
男の言うことを聞かない生意気な女は殴ってもいいという。

 

若い巡査は殴ったあと気まずそうな顔をしたんですけどね。
巡査はそのあと、お金を無理やり渡してその場から逃げるんです。

 

でも後日、その女性からお金を返されるんですよ。
貧困家庭には貧困家庭の、彼女には彼女のプライドや道理があったんですね。

 

それが描かれていたのは素晴らしいなと思いましたね。

 

当時の警察官になれる若い男性というのはきっと強者じゃないですか。
その強者男性でも思い通りにならないことがあるんですよ、というね、
何かそんなメッセージのような気がして、大変面白いシーンでしたね。


人情のあった世界

田舎の貧しい家庭から女子が人身売買されてるとか、
子供を置き去りにして姿を消す母親とか、
家で唯一の稼ぎ手だった夫が姿を消したために無銭飲食をしてしまう母親とか

貧しさと選択肢が少ないために悲惨な状況に置かれてる人たちが登場するんですよね。

 

困窮してるのは主に女性と子供が目立った印象ですけどね。

 

そういう人たちを「ルールだから」といって機械的に処罰するんじゃなくて、状況を考慮して気持ちを汲んで、お巡りさんがやさしい対処をしていくんですよね。

 

そういうのは人情としか表現できないんですけども。
美化してるんじゃなくてね、人情が社会システムの一部として機能してたんだなというね、そういう感想です。

 

そういうふうに警察という権力ある人々が人情で処理できる、動ける余地のあった時代だったんだなあと。

 

まあフィクションですけどね。

 

弱者やダメ人間にも配慮できていた人たちが、この映画の中には存在していました。

 

まとめ

余談ですが、当時の宍戸錠遅刻魔だったそうです。
そのせいで、『続 警察日記』には出演していないそうです。

 

面白いですね。
2023年の今より時間に余裕のあった時代だと思うんですが、そんな時代でも遅刻魔は敬遠されてたんですね。

 

集団生活ですからね。
時間を守れないと大勢の人に迷惑がかかる仕事でしょうから、当然かもしれませんね。

  

それにしても町の規模のわりに大きな警察署で、人員も多いような気がします。

 

もしかしたら、この署だけでかなりの広範囲を管轄していたのかもしれませんね。

 

そのあたりは原作に書いてあるのかもしれません。
まだ読んでませんけど。

 

老後くらいになったら読んでみてもいいかなと思います。

 

それでは、お読みいただきありがとうございました♪