こんにちは。
最近は美術館やギャラリーには行ってないサトーです。
都会なら面白そうなイベントにサクッと行けるんでしょうけどね。私が住んでるのは美術館が何十キロも先という所なので、気軽に行けないんですよね。こういう面では都会に住んでる人が羨ましいですね。
さて、さいきん見た映画の感想です。
アニエスによるヴァルダ
アニエス・ヴァルダの作品について、アニエス自身が語っているドキュメンタリーです。
彼女の作品への解釈や舞台裏などが見られて面白かったです。
『ラ・ポワント・クールト』や『ダゲール街の人々』『落穂拾い』を見て予習した甲斐がありました。
『5時から7時までのクレオ』は予算がないために1日で撮ったとか、「短くも鮮やかな夏のよう」な『幸福』、
『落穂拾い』で拾ってきたハート形のじゃがいもを使ってアートにしたりとか、映画だけじゃなくてアート作品も多数制作してて好評だったとか、いろいろ面白かったです。
ダゲール街の人々
当時、アニエスが住んでいたパリのダゲール街に住む人々を撮ったドキュメンタリーです。
香水と雑貨を売る店の老夫婦
パン屋の夫婦
肉屋の夫婦
客たち
修理人
マジックショーとマジシャン
などなど
そこで暮らす人々の様子や、ちょっとした自己紹介などが映されています。
このドキュメンタリーは、おそらくアニエスが47歳頃の作品なんですよね。節目の50歳が目前のせいなのかわかりませんが、若者より中高年、しかも夫婦が多く映っていた印象です。
50代以降は老いが顕著になっていく年代なので、もしかしたら自分たち夫婦の未来も気になって、夫婦を映すことが多かったのかなと思いながら見てました。
ちなみに、アニエスの夫は『ロシュフォールの恋人たち』や『ロバと王女』のジャック・ドゥミです!『ロバと王女』は大好きだった映画です。
『アニエスによるヴァルダ』でも狭い店内での撮影は大変だったと言ってたので、やっぱり大変だったんですね。
落穂拾い
廃棄された野菜や果物、道に落ちてる食べ物を拾う人たちを撮影したドキュメンタリーです。
フランスでゴミになったり収穫したけど出荷されなかった果物、市場でまだ食べられる食料を探す人などにインタビューしています。
フランスはケチならぬ倹約家が多いと昔どこかで聞いたことがあるんですが、ここまでするのかと逆に感心するくらい、いろんなものを拾っています。まあ時代もあるのかもしれませんけどね。
日本だったらこういうことをやると「恥」とか言われるでしょうけど、ここではそんなことはないみたいです。拾って当然、だって食べられるんだから。と開き直ってる、というより当然のこととして行ってるみたいです。
法律家も出てきて、落ちてるものを拾うことの合法性などを説明してくれます。果物の場合は所有者と拾う者たちの解釈の違いとか、他者の権限を侵害することへの抵抗感のなさとか人によって意見が違うみたいです。
これは貧しさかもしれないけど、そうでない場合もあるようなんですよね。
本当にいろんな人がいるんだなあと。いろんな人がいていいんだなあと思わせてくれるドキュメンタリーです。
意外にもパワフルというか、遊び心もあって精力的なアニエスが、強いばあちゃんみたいで頼もしかったです。
ただひとつ、見栄えの悪いリンゴを見た目も中身もない女性に例えてるおっさんがいて、それは不愉快でしたね。こういう人は世界中どこにでもいるんですね。
印象に残ったセリフはこちらです。
「技術はともかく楽しめる」
「目的は罰金ではなく法を気づかせること」
まとめ
こうなったら豪華キャストを集めた挙句、大コケしたという『百一夜』も見てみたいですね
街中で撮影した『5時から7時までのクレオ』やドキュメンタリー見てると、撮影当時は映ってる人たち全員に撮影の許可を撮ったのかなーとか、出演料は払ったのかなーとかそういうのが気になりました。今だとかなりシビアですが、当時のパリはそういうのはどうだったんでしょうね。
『顔たち、ところどころ』を見直したくなりましたね。
アーティスト2人が旅をしながら、あちこちでアート作品を残してくるというのはかなり素敵でしたからね。もう一度、見てみたいです。
それでは、お読みいただきありがとうございました♪