本と映画とドラマの感想|サトーのブログ

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構図がすごい『ラ・ポワント・クールト』感想

 

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こんにちは。
そういえば水上槍試合って風雲たけし城のエッセンスがあるなーと思ったサトーです。私も風雲たけし城は子どもの頃に少し見ただけで、詳しくはないんですけどね。でもなんか通じるものがあるなーと。ああいう遊びは世界共通でウケるのかもしれませんね。

水上槍試合がチラッと出てくる映画を見たので感想です。

 


この映画は

 

ラ・ポワント・クールトって漁村の名前なんですね。
漁師の若者が「ラ・ポワント・クールト在住」って言ってたので。
その村を舞台にした話です。

 

漁村なんですが衛生局の取り締まりが厳しくて、漁師たちは思うように漁ができないんですよ。
で、その村に戻ってきた夫と、あとからやってきた妻がいるんですね。
夫婦です。

 

この夫婦があまりうまくいってないみたいで、会話を重ねながらお互いの心中を打ち明けあうんです。

 

最後は水上槍試合があって、祭りがあって、若いカップルが誕生し、夫婦はこのまま夫婦でいることにして、映画は終わります。

 

構図がすごくてきれい

この映画は特に派手な演出や出来事はありません。
ラ・ポワント・クールトという村で起きたことを淡々と描いています。

 

凄いなーと思ったのは構図です。
構図がいちいちキレイなんですよね。
オープニングのシーンから、おお、この木目はこんな風になってたんだ!とハッとしましたし、水面に浮かぶ船で作業をする漁師たちを美しく切り取っていたりしてね。

 

特に夫婦ふたりのシーンは、いちいち構図が凄いです。
線路のシーン、石塀の上を歩いていくふたり、船の中に潜りこんでおしゃべりする夫婦とかですね。

 

印象的なのはふたりの顔の重なりですね。
会話してる最中に顔が重なってて、まるで絵画とか彫刻みたいなインパクトがあるんですよ。ピカソの絵みたいな重なり方なんです。

 

しかも最初はお互いが違う方向を見ていたのに、最後にはベッドに並んで同じ方向を見ていたんですよね。夫婦の心境の変化の表現かなあと思いました。

 

こういうのを見ていると、才能を持ってる人が遠慮なく美意識を全開にして撮ったってかんじで、ワクワクしますね。

 

監督のアニエス・ヴァルダはこのとき27歳です。
映画監督になる前は写真家として活躍していたそうです。構図がすごいのもなんか納得ですね。

 

この映画には猫もちょいちょい出てくるんですよ。
たぶん1歳くらいの若い猫が多いみたいで、遊びたい盛りなのか網で遊んでいたりしてかわいいです。この猫たちの配置と動きもいいです。
猫好きが撮ったんだなーとすぐわかります。

 

ちなみに・・・猫の妊娠を心配してくれた女性がいたんですが、あの人は現代だったらTNRに協力してくれたかもしれないなーとか考えてしまいました。

 

まとめ

妻役のシルヴィア・モンフォールの声が低くて抑えた話し方が素敵でした。

 

漁師の若者がボートネックのボーダーTシャツを着てて帽子をかぶってたのも、いかにもフランスって感じでいいですね。

 

私は画ばっかり見ててセリフほとんど覚えてないんですけどね。
こちらのセリフには唸りました。夫婦の会話です。

 

妻「愛が老いていく」
夫「愛は放っておけ」

 

この年になると、「愛が老いていく」というのがよく分かりますね。
夫婦は愛でつながるのか、それとも別のものか・・・

 

面白いというよりも、いい映画でしたね。
「きれいな構図の写真の連続したもの」と見ると、別の面白さもあるのかもしれませんね。

 

それでは、お読みいただきありがとうございました♪

 

 

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