こんにちは。
ガザ地区の50万人くらいが「壊滅的なレベル」の飢餓に直面してると知ったサトーです。飢餓って。
3月にはこの予測が出ていたそうです。
この状況を改善するためには継続的な支援が必要らしいですが、それも難しそうですね。国際赤十字委員会の事務所も攻撃されましたからね。
ちなみに、iPhoneの天気アプリによると、今日のガザは気温32度くらいまで上がるそうです。
さいきん見た映画の感想です。
ストーリー
1954年のモノクロ映画です。
12人の陪審員が、ある被告人が有罪か無罪かを議論し続ける映画です。
陪審員がひとつの結論を出すまでの議論や衝突、妥協や心情の吐露などが生々しく描かれています。
感想
陪審員たちの議論の結果はここに書きませんが、ちょっとだけ状況をネタバレします。
未見の方は注意してください。
衝撃がなくなると思うのでね。
舞台はたぶん1950年代のアメリカです。
議論をする部屋はものすごい暑くて、最初は扇風機も回らないんですよ。
窓をあけたら雨が降ってきて窓を閉めるから、また暑くなるんですね。
部屋にエアコンはないです。
殺人罪で裁判にかけられているのは、おそらく非白人の若い青年なんですよ。しかも貧しい環境で暮らしていました。
で、その非白人の若い青年が有罪か無罪かを決めるのが、(おそらく)全員白人の男性なんですね。
おそらくというのは、モノクロ画面では私が判断できないからです。
俳優のWikipediaを見るとユダヤ系、ドイツ系、フィンランド系がいましたが、10名はアメリカ人でした。残り2名は確認できませんでした。
で、この力関係がすごい不均衡じゃないですか。
陪審員が全員アメリカ人で、成人男性だけなので、普通はもう非白人の青年には勝ち目はないと思うんですよ。
でも、ひとりだけ最初から青年の有罪に疑問を持つ陪審員がいて、その人が有罪確定の空気を引っかき回していきます。
それがとても面白かったです。
怒鳴る家長
最初は陪審員は有罪11人で、無罪1人なんですよね。
無罪を主張する1人を、数の暴力で押して有罪に変えさせようとするんです。
しかも自分の意見を言ったり、相手の意見を否定するとき怒鳴る人が何人かいて、それがもう「感情的な家父長制の家長」ってかんじでね。
すぐ感情を出して怒鳴るんですよ。
有害な男らしさというのが全開です。大変わかりやすい。
で、日本ならこの感情的な家長たちが幅をきかせそうなんですが、そこはアメリカ、そうはならないんですね。
怒鳴らないでくださいよ、とか言われて、他の陪審員にたしなめられるんですよ。
最後は数の暴力の勢力が逆転して、怒鳴る家長たちもおとなしくなります。その過程の描き方、家長たちの心情のえぐり出し方が見事でしたね。
印象に残った言葉
いくつかありますが、2つ紹介します。
まず、お年寄りに罵声を浴びせた家長に対して、別の男が言うセリフです。
「お年寄りをバカにするようなやつにろくな人間はいないぞ」
「もっと老人を尊敬しろ」
「今度は俺が相手になってやる」
めちゃくちゃカッコイイですね。
そうですよ、理性的に話してるお年寄りを罵るなんてろくなやつじゃないですよ。
お次はこちら。
丁寧に話すサラリーマンみたいな人がいて、その人にそんな言い方するなみたいに言った男に、丁寧に話す人が言い返しました。
「あなたとは違うんです
こういうふうに育ったもんで」
おお、言い返した!そりゃそうだwってなりました。
まとめ
議論終了後の室内で、スーツの男が2人立っているんですけどね。
片方は白スーツで、もう片方は黒スーツなんですよ。
この色の対比が象徴的というか、最後になって効果を発揮した演出だと思いました。
そしてテーブルには戦いの跡が残っています。
裁判の結果は描かれませんが、外は雨が上がっています。
いやーすごかったですね。
怒って反対してる人の心の傷を炙り出したり、会議の終わり方も見事でした。ラストシーンも雨上がりでさわやかです。
現在なら、ここに女性や非白人もいれて差別意識がナチュラルに滲み出るごちゃごちゃの展開にできそうだなーと思ったりしました。
でも、そうなると逆に話が広がり過ぎて、収集つかなくなりそうなので、インパクトを強めるならこの設定がいいのかなーとも思ったりしました。
それでは、お読みいただきありがとうございました♪