こんにちは。
久々に10円ハゲできそうなストレスフルな映画を見たサトーです。
感想です。
ネタバレしているのでご注意ください。
ストーリー
映画業界の大物プロデューサーのアシスタントとして働きはじめたジェーン。
この映画は、彼女の職場でのある1日を描いたものです。
朝も暗いうちから出社して、フロアの電気つけて、コーヒー飲んで、ボスのオフィスを片付けて、ソファの掃除までする、もはや雑用係のジェーン。
仕事中にふとした疑問を持ったために、自分の働く会社がとんでもない場所だと思い知らされることになります。
あの事件
フィクションですが、クレジットで「実体験を語ってくれた全ての人に感謝」と出ます。Wikipediaによると、「ワインスタインのアシスタントを主人公に」と書かれています。やっぱりあの事件が元になってたんですね。
ワインスタインとその取り巻き連中は、女優さんだけじゃなくて裏方の女性に対しても、組織的に脅迫したり口をつぐむよう圧力をかけていたようですね。犯罪者ワインスタインは現在、刑務所に収監されています。
この映画がどこまで実際のことを映像化しているのかわかりませんが、見ているだけですごいストレスです。
すごいストレス
見てるだけで10円ハゲできそうなくらいのストレスでした。
前半はですね、Noと言えないとこうなるという好例なんですよね。
Noと言えない女性が、ジェーンなんですけどね、職場でひたすら耐える話です。
ジェーンは職場では周りから尊重されてないし、軽んじられています。
こういうのを見ると、私は会社辞めてよかったなと心底思います。
前半はストレスに耐えられなかったので1.2倍速で見ました。
アメリカの映画って、ほとんどの映画は全体的にどこかしら陽気な要素があると思ってたんですけどね。この映画は陽気な要素はほぼなくて、すごい陰鬱で息苦しい空気が詰め込まれていました。
組織ぐるみ
それでも、どうにか見てたんですよね。
そうすると、50分くらい見続けてやっと意味がわかってきました。
それまでは若い女性の仕事の話かなと思ってたんですけどね。
そこから更なるストレスがかかります。
ジェーンはあることに気づいて内部の偉い人に相談するんですが、偉い人は彼女の話を聞かなかったことにするんですよね。
で、新人のジェーンが気づいたことには、実は周りの人間もみんな気づいてたんです。
組織ぐるみで隠蔽してたというか、臭い物に蓋をしてたんですね。ワインスタインの名前が出たのでもう想像ついてると思うんですけど、要はそういうことです。
そういうことが暗黙の了解のうちに行われていて、気づいて指摘したジェーンが悪者にされるんですね。
マジで会社時代を思い出してハゲそうでした。
正しい心があっても・・・
ジェーンのように正しい心を持っていても、社会的な力がないと何もできないんだな、ということがよくわかる映画です。
ジェーンが言われるがままに謝罪文書いてるのを見るのは、心が一個一個死んでいくのを見てるようで辛かったです。
周りの悪党どもは、彼女の仕事を人質にとって彼女に沈黙を強要しているんですね。
パワハラ&モラハラのオンパレードです。
まとめ
この映画は見ているだけで、ジェーンの感じているストレスがよくわかるように作られています。
見ているだけで感じるこのストレスは、無神経で臭いものにフタをする加害者タイプの人も感じるはずです。
これがこの映画の素晴らしいところですね。
この映画を見ていると、ジェーンと同じ気分を体験できるんですよ。
犯罪が存在してることを知っているのに告発を無視されて、逆に黙ってろと脅しをかけられる弱い立場のジェーンの気持ちが。
そういう意味では、鬱々とした10円ハゲできそうなこの魅せ方は有効なんですよね。
「何が問題か分からない人」にわからせるために、この陰鬱とした空気は大変有効なんだなと思いました。
こういう映画が作られて、世に出て評価されるようになってきたのは、人類としての進歩だと思います。
それでは、お読みいただきありがとうございました。