本と映画とドラマの感想|サトーのブログ

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第6巻『幸運には逆らうな <ワニの町へ来たスパイ>シリーズ』感想

 

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こんにちは。
さいきんは幸運に縁遠くなっていると思われるサトーです。
表紙もにぎやかになってきたワニ町シリーズ6作目を読んだ感想です。

今回のワニ町は

 

アイダ・ベルガーティの宿敵シーリアが町長に就任。
さっそく権力を振りかざして、ブーロにまたがった推定年齢100歳超のリー保安官を解任します。

 

カーターは傷病休暇中で無理ができないし、ブロー保安官は頼りになりません。シーリアの一派が町の権力を握ることになりました。不安しかありません。

 

そんなとき、湿地で大爆発が起きて人体の一部が発見されます。
事件の勃発です。

 

血が騒いだアイダ・ベルやガーティとともに、フォーチュンはまたもや捜査に乗り出します。

 

感想

今作はですね、個人的に、これまでの5作を振り返っても、ちょっとパッとしないかんじでした。概要は、シンフルの町にシャブが広がったら困るから、その前に犯人を突き止めようぜ!というものです。

 

怪しい人物はすぐに見当ついたし、まあそれはいいんですけど、事件の真相もそうだし、「この事件を解決しなければ町が終わる!」みたいな危機感も微小でした。

 

ただ、それは薬物とは縁のない生活を日本で送っている私だからそう感じたのかもしれませんね。


薬物依存や、それにまつわる犯罪が深刻な問題となっている地域で暮らす人が読んだら、印象は変わるのかもしれません。

 

そして今回は対話が多かったですね。
フォーチュンやカーターの本音が聞けて、作品全体の深みが増したともいえますが、アクション少なめだったのでやや退屈だったともいえます。

 

まあ、長いシリーズになると、こういう「作品の世界観を深める要素」は必要になってくると思うんですけどね。

 

カーターお休み中

あと、パッとしなかったのはカーターとフォーチュンの衝突がなかったのも一因かと。
今作を最初に読んだ人は面白いと思うかもしれませんが、シリーズ1から読んでいると、やはり物足りなさがあります。

 

カーターが大事をとって休暇中なので(ついでにウォルターも)、無理ができずに現場にこられないんですよね。だからフォーチュンたちはカーターに遠慮せず、好き勝手に行動できます。

 

ロミオとジュリエットじゃないですけど、カーターとフォーチュンが相反する立場で、それぞれの正義で捜査する2人の衝突が、これまでの面白さの秘訣だったんだなとわかりました。

 

ロミオとジュリエット以外にうまい例えが思いつかないんですよね。私もまだまだですね・・・

 

なぜそのネタを使い続けるのか

今回、ザンネンだったなーと思うのは、前作から引き継がれた「おばあさんの下着ネタ」です。
お年寄りの下着丸出し姿で笑いをとるのは個人的にどうかと思うんですよね。

 

あと、ブーロが腹にたまったものをネルソンにぶちまけたり、公職についたのがフッカー(娼婦)でわかりやすい侮蔑の対象だったり、ガーティの "タトゥー入り全部間違い" の服装だったりと、どーも下品なB級アメリカのアニメみたいな方向にいっちゃってるんですよね。

 

まあ、舞台が南部のド田舎らしいので、そのへんも考慮しないといけないとは思いますが。

 

4作目までこんな感じだったかな?と思って読み返したんですが、そんなことなかったんですよね。
前作の5作目からシーリアとガーティのばあさん下着ネタが始まったようです。

 

たしかに、おばあさんの下着ネタは繰り返し何度も使えるネタでしょうけれど、人気作家がそれでいいんですかね?
こういうネタで満足できる読者層というのは知れてる気がしますが・・・

 

もっとひねりの効いたユーモアで笑いを取れる作家さんだと思うんですけどねえ。

 

もしも映画化するなら・・・

話は変わって、もしワニ町シリーズを映画化するなら、主役のフォーチュンはぜひとも、ジョディ・カマーに演じてもらいたいです!

 

キリングイヴ/Killing Eve』シリーズで殺し屋ヴィラネルを演じた彼女です!
4サイズかどうかはわかりませんが、ハイヒールの踵で武器商人の弟を殺せるのは彼女くらいだと思いますのでね。

 

fortunamajor.hatenablog.com


まとめ

言っちゃえば今回は、事件がしょぼくてカーターも不在(も同然)、
そんな中で話を盛り上げようとしたら、あの親子を登場させるしかなかったのかなと。

 

フォーチュンたちも新アイテムを手に入れたし、町の平和も守れたし、結果はめでたしめでたしですね。
で、また新たな火種が現れて、6作目は幕を閉じました。

 

次作も読むと思いますが、もうおばあさんの下着ネタはこれきりにしてほしいですね。
おばあさんの下着ネタで笑いを取り続けるなんて、どんな作家だろうって考えちゃいますからね。

 

ちなみに・・・
このシリーズの原作は2023年10月現在、25作目まで出版されています。

janadeleon.com


これまでの時間の流れからすると、1冊が約1週間ですので、フォーチュンがシンフルに来てから25週間が経過していると推測できます。
すでに半年が経過している計算です。

 

25週も経ってたらどうなってるんでしょうか?
アーマドは見つかったのか?カーターとの関係はどうなってるのか?ていうかフォーチュンの本職復帰は?
アイダ・ベルとガーティの寿命は心配なさそうですが、いろいろ気になるのでやはり続きが読みたいですね。

 

ちなみに・・・原作の1作目が2013年で、日本語版が2017年出版です。翻訳本は1年に1冊のペースですから、我々が日本語版の25冊目を読めるのは、このままいけば19年後です。2~3人態勢で翻訳しないとファンが最終話を読めるのはガラスの仮面並みの年月がかかり、死者がでてもおかしくないレヴェルになります。南無阿弥陀仏

 

次作が楽しみですね!

それでは、お読みいただきありがとうございました♪

 

シンフルの町の地図が見られるガイドブック↓↓↓

第1巻↓↓↓