こんにちは。
共同親権導入が12日にも採決されると聞いて、これも所有権の歪んだ形の表れなのかもなと思ったサトーです。
さいきん読んだ本の感想です。
この本は
「人はなぜ要らない物でも欲しがり、なかなか満足できないのか?」
ということを、いろいろな面から考察し説明している本です。
著者はカナダ生まれの心理学の教授です。
バーベキューグリルに入っていた他人の足や
バンクシーの所有権
動物の占有と人間の所有の違い
所有という概念がなかった北アメリカの先住民
親が子に抱く所有欲
イスラエルとパレスチナの領土問題
などなど。
この本が刊行されたのは2019年だそうですが、
不思議なことに2024年の今読むとかなりタイムリーです。
感想
親の所有権の章を読んでいると、現在の日本の共同親権導入の話に通じるものがあるなあと思いました。
著者は「子の所有者は自分だと主張する親はめったにいないが」と書いていますが、私はそうは思えないですね。
少なくとも、共同親権導入賛成派の人々は「子の所有者は自分だ」と思っているから採決させたいのかもしれません。
まあ他の理由もありそうですが。
著者は「親が子の監督責任を負うのは、所有の一形式と言えるだろう」とも書いていますが、監督責任がどういうものかは人によって異なりそうですね。
監督責任というものが、子にきちんと食べさせて、一般的かそれ以上の教育を授けて、まっとうな人間に育てようとする人ばかりだったらいいんですけどね。
そうはならない予感がするんですよね。
気のせいならいいんですけどね。
家庭的とは
「家庭的な」と言うとき、その言葉が示しているのは、居心地がよく、安全で、安心感があるという一連の性質である。
と書かれています。
はたして、共同親権にそれらがあるでしょうか?
また、「世界の再生産年齢女性の死因の一つがパートナーによる殺人」とのことです。
女性との別離や、女性を失うかもしれないという恐れから、男性は暴力に及んでいる。そうした喪失に直面した男性が、究極の自己破壊行為を行うことがある。
それが女性や家族を巻き込んだ無理心中、一家心中です。
歪んだ自己意識と所有者意識があるからこそ、これほどの破壊行為に及ぶのだと言えるだろう。
そして著者は「近しい関係にある相手であれ、人間に対して所有の究極の行為に及ぶ権利はなんぴとにもない。」と断言しています。
これが理解できない人には、近づきたくないですね。
エルサレム
この本が刊行されたのは2019年ですが、パレスチナとイスラエルの長年の関係や、エルサレムという土地についてもふれています。
ここでも所有欲というのが影響しているそうです。
が、現在パレスチナに対して行われている残虐行為は、所有欲とはまた違った異常なものが影響していそうだなと、個人的には思います。
あの、一方的な虐殺はどうやったら止められるんでしょうね?
まとめ
この本を読んでみようと思ったのは、私の物欲がひどくて季節ごとに服を欲しがったり、電子書籍を買いまくったのに読まずにまた買いまくったりしてたからなんですよね。
この物欲はどこからくるのだろうと不思議だったんです。
で、その疑問にドンピシャなタイトルを見つけたんで、読んでみたんですよ。
物欲にとどまらず、所有権とか占有権とか、民族とか人種とかの話まででてきて読みごたえがありました。
物欲がひどい私にささったのは次の言葉です。
「所有で永続的な幸福が(は)得られない」
物を獲得するのは大変、楽しいけれども、その快楽は永遠には続かないんですね。
気づいてました・・・気づいてましたよ・・・
でもストレスがたまると、お金で何かを獲得したくなるんですよねー。
でも、そうなんです。買い物で幸せになれるのは一瞬だけなんです。
この本の最後には、物を捨てられない「ためこみ症」も出てきます。
汚部屋やゴミ屋敷の住人が当てはまりそうですね。
私もそうならないように、物を買うのはほどほどにしたいと思います。
それでは、お読みいただきありがとうございました♪