本と映画とドラマの感想|サトーのブログ

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キョナとアドリエル『ザ・クロッシング』感想

 

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こんにちは。
X(旧Twitter)を開くとだいたい地獄が広がっているのでなるべく見ないようにしてるんですが。Xじゃないと得られない情報もあるので、やっぱりXを見てしまうサトーです。
さいきん見た映画の感想です。
 
 

ストーリー

小さな村で平和に暮らしていたキョナたち一家。
突然やってきた兵隊が家に火をつけ、金品を強奪し始めました。
身の危険を感じた住人たちは村を出ていくことに。
 
キョナと弟のアドリエルも、家族と一緒に村を離れます。
ところが列車で検問にあい、両親と別れてしまったキョナとアドリエル
 
駅で待っていても、父と母は現れません。
やがてキョナたちは、町のはずれで顔に刺青のある男イスカンデルたちと暮らすようになります。
そこへ、人買いの男がやってきます。
 
 

ガラスに油絵を

アニメーション映画です。
 
このアニメーションは、
「ガラスに描かれた油絵を少しずつ直して動きを持たせ、完成まで10年以上を費やしたという」ことです。(引用→https://moviewalker.jp/news/article/1093378/p2
 
実際に見るとわかるんですが、滑らかな場面転換や、炎や煙や粉塵の動きとか凄いんですよね。これを「ガラスに描かれた油絵を少しずつ直して動きを持たせ」たいうのがすごいですよね。驚異的です。
アートとして見ても素晴らしい作品だと思います。
 
この話は、フローランス・ミアイユ監督の曾祖父母と母と叔父の経験をもとに作られたそうです。家族の歴史ですね。
 
映画は誰かのアトリエから始まります。
そこにあるスケッチブックが開かれ、描かれた顔の説明があり、物語がはじまっていきます。
 
 

キョナとアドリエル

主人公のキョナは勝気で反抗的な性格だけど(まあ環境を考えると反抗したくなるんですけどね)、自分でお金を稼ぐスキルはありません。
 
一方、双子の弟アドリエルは人気者で生活力があり、どこへ行っても環境になじんでしまいます。
 
そんな双子が親と生き別れたあと、人買いの男に買われたり、嫌な夫婦の子供になったり、サーカスでお世話になったり、収容所に連れてこられたりします。
 
そこで、いろんな人に出会います。
助けてくれる人、裏切ろうとする人、誘惑してくる人。
 
そういう人たちと関わりながら、行き場のないキョナたちは、必死で逃げて生きようとします。
 
 

迫害

キョナたちは今でいう難民になると思うんですよね。
ちょっと前ならユダヤ人迫害ですね。
で、こういうことは、今も世界のどこかで起こっていることだと思うんです。過去の話ではなくて現在進行形ですね。
 
最初に村を襲った輩が「カネを持ってるだろ イェルジッド人は皆そうだ」「ごまかせると思うなよ」「何度でも来て焼き払ってやる」と、キョナたちの家族を脅すんですよね。
 
こういうふうに、「○○人は××だ!」の思考で他人を攻撃する人が、世界中どこにでもいるのかと思うと怖くなりましたね。
 
 

まとめ

故郷をなくして無条件に追われる、見つかったら捕まるか殺される、という状況が、いかに不条理で過酷なものかがよくわかります。
 
アニメーションもストーリーも素晴らしかったです。
 
それでは、お読みいただきありがとうございました♪