本と映画とドラマの感想|サトーのブログ

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『こわれゆく女』感想

 

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こんにちは。
精神病院から退院した初日にパーティーやるから楽しめ!と言われたら
「ぶっ飛ばすぞ」と言っちゃいそうなサトーです。
そういう状況に陥る人の映画を見たので感想です。
ネタバレがあるのでご注意ください。

 


ストーリー

 

 

今夜は夫婦ふたりで水入らずで過ごそう
と約束してたのに
夫のニックは急な仕事が入って
帰れなくなります。

 

子どもたちを母に預けて
楽しみに待っていたメイベルでしたが
ニックが帰ってこないとわかると
ヒマすぎて夜の町に繰り出します。

 

そしてゆきずりの男と
一夜を過ごすことに。

 

翌朝、ニックは仕事仲間を
大勢引き連れて帰宅。
メイベルはスパゲッティを作って
もてなします。

 

この頃からメイベルの情緒不安定さは
ニックの仕事仲間の間でも有名でした。

 

メイベルは感情を抑えきれず
キレやすくなっています。
道行く知らない人に怒鳴ったり
かと思えば子どもには全力で愛を伝えたり。

 

頭に血が上ったら
架空の誰かと会話を始めるみたいです。

 

そんな行動が続いたあと
ニックは医者を呼びます。

 

入院させられると知って
感情を抑えきれなくなるメイベル。

 

母を慕う3人の子供たち。
怒鳴りっぱなしのニック。
味方のいないメイベル。
この家族はどうなってしまうのでしょうか。

 


妻メイベル

メイベル役はジーナ・ローランズです。
そうです、あの『グロリア』の
グロリア役の人です!

 

 

『こわれゆく女』が1974年、
『グロリア』が1980年ですから
グロリアの6年前の映画ですね。

 

監督は両作品ともジーナの夫、
ジョン・カサヴェデスです。
ふたりは仕事でもパートナーだったんですね。

 

今回のジーナの演技は
日本だと怪演と言われてまいそうです。
すごい迫力で鬼気迫ってくるんですね。

 

内側にみなぎる怒り
表情筋にまでにじみ出てて
本当にどうにかなってしまったのではないかと
見ていて心配になるくらいです。

 

余談ですがジーナはすごい美脚です。
ミニスカートを着こなす姿は
かっこよかったです。

 


夫ニック

夫のニックを演じるのは
一世を風靡した『刑事コロンボ』の
コロンボ役、ピーター・フォークです。

 

この夫もちょっと変わった人で
ほとんどいつも大きな声で命令口調で話してて
最後のほうはほとんど
怒鳴りっぱなしなんですよね。

 

子どもに対しても
退院したばかりの妻にも怒鳴るので
「気に入らないことがあれば怒鳴る」
ことが習慣になっている人なんだと思います。

 

メイベルの話を聞くときは
忍耐強く聞いてることもあるんですが
一度イラっとしたら止められないみたいで
すぐ大声出すんですよね。

 

これは職場でも同じなんですよ。
気に入らない話題で、相手が話しかけてきても
何も聞かずに黙っててもキレるんです。
いつも命令口調だし。

 

見てても疲れるくらいなんで
実際に関わったら神経すり減りそうですね。

 


原題

さて、原題は
『A Woman Under the Influence』です。
Google翻訳にかけたら
「影響下にある女性」と出ました。

 

これだけでもう
こわれゆくメイベルのその原因が
わかりそうなものです。

 

私の推測ですが
あの夫婦の形態が現代風にいって
わかりづらいDVであれば
メイベルは夫の影響を受けている
ということになります。

 

その証拠というか、自分(メイベル)に
逆らってこない実母には高圧的に攻撃的に
なるんですよね。

 

夫が自分にしている態度で
母親にも接するんです。
まるで子供が親のマネをして
いるように。

 

メイベルのあの症状が躁うつ病なのか
怒りを制御できないだけなのか
それとも他の何かなのか
私には分かりませんが
夫の影響で悪化していったのは
否定できないと思います。

 

退院初日にサプライズパーティーを開くセンス

ちょっとネタバレになります。
メイベルは精神病院から退院してくるんですけど
その退院する日に、
夫が家に人を集めて
退院パーティーを開くんですよね。

 

今の感覚なら、
それ悪影響しかないから絶対ヤメロ
ってなると思うんですが
ニックはそれに気づかないんですね。

 

幸い、ヤメロと言ってくれる人がいたので
家族でない人々は帰ったんですが
このパーティーが実行されていたら
と思うと恐ろしいですよね。

 

精神を病んで入院していた人が退院した日に
大勢集まるパーティーを開いて
「お前、せっかく来てくれたんだから
この人たちの相手をしろ」
と言ってるようなもんじゃないですか。

 

そんな精神負担のかかること
させんじゃねーよ、この人でなしと
私なら叫びたくなります。

 

このように、ニックはメイベルの気持ちを
考えることができずに
いつでも「自分のお気持ち」を
優先する人なんですね。

 


まとめ

またネタバレになりますが
結局この夫婦は元サヤに収まります。

 

結局、相性が良かったということに
なるのでしょうね。
ちぐはぐだけど
お互いがお互いを受け入れているんです。

 

あともうひとつ怖いと思ったのは
家族だけのパーティーになったときに
メイベルが父母たちに「帰ってほしい
といったのに誰も帰らなかったことです。

 

退院したばかりの人が
帰ってほしいと2回頼んだのに
帰らないんですね。
泣いて頼んだら、やっと帰ったんです。
配慮がなさすぎて怖すぎです。
うちの無神経な親せきを思い出しちゃいましたよ。

 

メイベルが可哀想すぎました。
興味がある人は見てみてください。
2時間半くらいあるんですが
いろいろ考えさせられました。

 

それでは、お読みいただきありがとうございました。

 

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